保健看護学科3年生では各専門領域の臨地実習を行います。精神看護学実習では、対象者とその家族への理解を深め、その人らしい生活の実現を支えるために、必要な看護を展開ができるよう学びを深めます。実習を終えた学生のレポートを紹介します。
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精神看護学実習からの学び 保健看護学科 品川 太介
患者とのコミュ二ケーションの方法や患者と一緒に考えることの大切さ、家族アセスメントの重要性を学ぶことができた。
コミュニケーションでは、患者の希望、信頼関係構築のために親しみやすい言葉での会話を心がけた。そうすることによって現在では有効な信頼関係を構築できたと思う。また、コミュニケーションや関わりのときに気を付けたことは、優しく養育的態度で接すること認知行動療法的な関わりをすることだ。ダメなことはだめ、できたら褒めるということを心がけた。その結果、攻撃行動を深呼吸するなどで我慢している姿が見られ、褒めると口角が少し緩むなどの反応を見ることができた。上記の、深呼吸するなどは、攻撃行動の対処法として患者と私で考えた。一緒に考えることによって、患者に寄り添った対処法になり、患者も積極的に取り組めるということに気づいた。治すのは、患者本人であって、看護者はそれをサポートするだけだと思う。出来ているか出来ていないか評価し、患者が達成できるよう情報の提供などを行っていくことが大切になってくると考える。
次に、家族アセスメントについては、自己課題でもあったため特に力を入れて取り組めた。また、患者の年齢を考え、これからの長い人生を有意義に生活できるためにはどうすればいいのか、アセスメントしながら気づき学ぶことができた。家族アセスメントをするためには、エリクソンの発達段階に照らし合わせ対象者・その家族を理解することや家族からの具体的な情報収集・希望・要望などが大切になってくる。それらを反映することによって、退院後の生活を予想することができ、看護計画も退院に向けたものを立案できた。広い視野で患者をみることの大切さも同時に学ぶことができた。そうしておかないと、再燃のリスクや、症状を抱えたままでも日常生活を送ることが出来るような社会復帰に向けた看護が提供できないからだ。また、病棟の申し送り時やデイケア実習を通して他職種の重要性や訪問看護を通して、利用者の退院後の生活の実際を見ることができより深く精神看護を学ぶことができた。
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担当教員より
学生にとってイメージしづらい精神症状を理解することは困難であるため、精神疾患が日常生活にどのように影響しているか、それを対象者がどのように受け止めているかについて、戸惑いながらも自己の振り返りを行いながら学ぶことができました。現在、地域連携や地域精神保健の重要性が指摘されるなかで、デイケア・作業所・訪問看護実習と経験させていただき、連携から協働という視点での学びに発展し、考えるきっかけとなった実習ではなかったでしょうか。今後の在宅看護論実習・地域看護学実習に活かしてほしいと思います。
(保健看護学科・石田実知子)