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2015年3月5日(木)

本校卒業生が青年海外協力隊としてネパールでの活動を終え、無事帰国しました!

青年海外協力隊として2年間のネパールでの活動を終えた、本校作業療法学科卒業生の中塚直希さん(2008年度卒)が、活動報告に来てくれました。


中塚さんは在学時より、「作業療法士として海外で活動すること」を夢に努力を続け、卒業後も医療機関に勤務する傍ら語学を学び、青年海外協力隊に選出され、夢を叶えることができました。本校の校是の一つである『「学」豊富な専門知識・秀でた国際感覚』を携え、国際的な視点を持ち活躍してくれたことを大変嬉しく思っております!


中塚さんからのコメント
私は青年海外協力隊(以下JOCV)の作業療法士隊員として、ネパールで活動していました。日本とは異文化、異言語のネパールでは自分にとって非常に貴重な経験をすることができました。

作業療法士という職種でJOCVとして派遣されるためには、3年以上の実務経験が必要で、国の言語に合わせた語学力が求められます。今まで海外に行ったことのない私は、英語もしゃべれず、社会人3年目まで語学教室に通う毎日を送っていました。準備の甲斐もあり選考試験1次・2次にも合格し、晴れてJOCVの一員としてネパールでの生活がスタートしました。

最初の1年は現地のスタッフと共に過ごし、発見の連続でした。初めての海外生活のため、言葉が通じない、バス移動や買い物に必要な会話さえも自由にできませんでした。食事が好きな私にとって、生野菜・生ものが食べられない環境にも慣れていかなければいけません。生活の中で習いたてのネパール語が伝わらず、やるせない気持ちになるときもありました。そんな“普通の生活”を送ることさえも一筋縄にはいかなかったのです。

そんな中、職場の子供達やスタッフの優しさで和まされ、日本とはかけ離れすぎている街並みや人々の生活の全てが新鮮でした。時にスタッフが自宅に呼んで一緒にご飯を食べること、持ち寄った昼食を職場で一緒に食べるなどをしているうちに、遠く感じていた距離も近づいていくような感じがしました。ネパールで過ごす日数が増えるにつれ言葉に慣れ、生活習慣にも慣れた頃、職場での作業療法の勉強会を開催しました。

ネパールでは普及していない作業療法を現地のスタッフに説明することに苦労しましたが、何度も失敗を繰り返す中で、どのような方法なら理解してもらえるのか?を考えることが楽しくなってきました。国際協力機構(JICA)事務所の方針でもある“現地の方の自助努力”を意識し、私の任期の終了後も続けられるような作業療法を伝えてきました。

決して、順調ではない2年間でしたが、日本だけでは出会うことのなかったであろう人々との出会い、自分で考えて行動する力が身に付いた貴重な時間でした。おかげで自分の考える作業療法の考え方が少し広がったような気がします。空いた時間にできたヒマラヤを見ながらのトレッキングなどの観光も貴重なJOCVの特典です。

現在はグローバル社会となっています。作業療法士のグローバル化も近いのではと考えています。もし、興味があれば、世界の作業療法を体験し、やってみるのもひとつと思います。


written by tamasen [トピックス] [この記事のURL]

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