tamasen 校長ブログ

2016年7月27日(水)

近所の虫達-2016.07.27-

玉野総合医療専門学校 校長 平井 義一

 私は高校生までは昆虫採集が趣味であった。最近は採集ではなく、写真を撮ることが趣味である。近年は、昆虫は採取するのではなく、見て楽しむとの風潮が強い。稀少種や絶滅危惧種をむやみに採取するのは良くないのは明らかである。しかし、子供が生き物を捕まえたいと思うのは本能的である。危険なハチなどは注意する必要があるが、チョウやトンボ、カエルなどは捕まえて、触ることは大事である。このことが自然を体で理解することにつながると思っている。
さて、私は岡山の東山電停から西大寺寄りにある山腹の住宅地に住んでいる。最近に、近所で見かけ、写真が撮影できた中から、多くの人が見たことがあってもよくは知ってはいないと思う昆虫を、今回は、数種記述したい。
 
1)ツマグロヒョウモン



 蝶である。モンシロチョウより大きく、アゲハチョウより小さい。ひらひらと飛び、滑空する。ヒトが近づくと俊敏に逃げる。写真のようになかなか華麗である。この写真は7月半ばに庭のピラミッドアジサイに飛来した時のものである。ヒョウモンチョウの仲間である。この類は、基本的には、翅表には茶色に黒紋が規則的配置され、翅裏には緑・白色の紋様が配置される。一方、ツマグロヒョウモンでは上翅の先端に白の混ざった黒色の紋様が配置され、独特である。「ツマグロ」のツマは先端・端を意味する言葉である。その隣に赤色を帯びた色彩がある。一見して判別できる。ただし、この色彩はメスのみであり、オスは翅表に茶色に黒紋が規則的配置されている紋様のみであり、他のヒョウモンとはすぐには区別できない。
 この蝶は、昔はヒョウモンの仲間では少ない方で、山地で見かけることが多かった。近年は、関東以西では平地で見ることが増えてきた。皆さんも見たことはあると思う。幼虫の食草はスミレ類であり、公園の草地などで産卵する姿を見ることができる。平地に食草が多いこと、近年は消毒剤をあまり散布しないこと、年に何回か羽化する(世代を繰り返す)ことが増加した理由であろう。幼虫には毒はないが、毒々しい風貌をしており、ビオラ類も食べる。園芸家には明確に害虫と認識されている。
 ヒトが少し遠くから見ていると逃げることは少ない。庭で、花の蜜を吸い、ゆったりと飛び回る姿を眺めていると、少しく夏の暑さを忘れる。

2)ヨツスジトラカミキリ


 カミキリムシである。この写真は7月半ばに庭のピラミッドアジサイの葉で見つけた時に撮影した。日本にはカムキリの種類は多く、大きさは1cm弱(ハナカミキリ類など)から5cm程度(シロスジカミキリ)である。ゴマダラカミキリ(3cm程度)をご存知の方が多いと思う。このヨツスジトラカミキリは2cm弱の大きさであり、トラカミキリの仲間である。写真2を見てお分かりのように、スズメバチの擬態である。多くの人がハチと間違える。よく見ると透明な羽は見えず、硬い鞘が見える。大きなカミキリであるシロスジカミキリやゴマダラカミキリはお尻を下げて、重たそうにゆっくり飛ぶが、このヨツスジトラの飛行はそれよりは軽やかである。しかし、スズメバチの素早い飛翔とは比べ物にならない。また、シロスジカミキリやゴマダラカミキリに咬まれると痛いが、ヨツスジトラでは痛くない。
このカミキリムシの幼虫はニセアカシアやクヌギ類を食べるためか、住宅地・街中でも見かけることが多い。私は、このカミキリを見かけると捕まえて背中を触る。硬い鞘の上の柔らかなビロードの感覚を感じる。放すとそのまま飛んでいく。毎年の夏での楽しみである。

3)オオスカシバ


 蛾の仲間である。しかし、翅は透明である。「大きな透かしの羽」との意味でオオスカシバである。胴体は太く、2-3cmである。頭の触角は太く大きい。上半身はウグイス色であり、腰部に赤いベルトをつけ、下半身は黄色で、尾に短い黒毛を持つ。なかなかダンディーである。昼に飛び回るので見ることは多い。ホバリングしながら花蜜を吸い、瞬時に他の花に移る。ホバリングの時には翅は全く見えない。あたかもハチドリのごとくである。私はハチドリを見たことはないので想像であるが。写真は5月終わりに近くのミカン類の花で撮影したものである。花に前足を掛けているため、羽ばたきが遅くなり、かろうじて羽が見える。
 幼虫はクチナシを食べる。実家の庭にはクチナシがあった。私が小学生の頃の夏にオオスカシバが来て、産卵していった。幼虫になり、大きくなると尾に突起を持った大きな青虫となった。こうなる頃にはクチナシの葉はほとんどなくなったのであるが、蛹と羽化を見たくて、放置して欲しいと祖母に頼んだ。しかし、蛹は見つからなかった。土の中で蛹になることを知ったのは、ずっと後である。翌年から、幼虫は遠慮なく退治された。

4)ハンミョウ(ナミハンミョウ)


 オサムシに近縁な甲虫である。漢字では斑猫と書く。古く中国では薬として使用され、毒があると記載されているそうである。ハンミョウ類には毒を持つ種があり、別のツチハンミョウのグループは猛毒のカンタリジンを保有する。中国の種は毒を持っているのかもしれないが、この日本種は無毒である。ただし、大顎を持ち、咬まれると非常に痛い。2cm程度の体長である。
 山道などで人の前を素早く走ったり、軽く飛翔したりする。ミチオシエとかミチシルベとか呼ばれている。見た人は多いはずである。この虫は目が大きく、小さなアリなどの昆虫を捕まえて、体液を吸い取る肉食昆虫である。草むらより見通しに良い土道で多く見る。人が近づくとすぐ逃げるため、じっと観察することは難しい。6月に散歩のとき、近くの寺の境内で休んでいると、偶然にこの虫が目の前に来た。カメラを持っていたので、そっと写真をとった。写真をみると華麗である。青・赤の金属色に濃紺や白の模様が斑に配置されている。派手であるが、明るい山道では保護色であると言われている。まずいので鳥は食べない。アブ類やジョロウグモは捕食するとのことである。私もジョロウグモの巣でハンミョウの死骸を見たことがある。糸でグルグル巻きにはされていなかった。  
散歩の時の道連れとしては好ましい。真夏には少々暑苦しい感じはするが。街がコンクリートに覆われ、草むらが少なくなり、ハンミョウを見ることが少なくなってきた。大いに残念である。

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