tamasen 校長ブログ

2018年1月19日(金)

カワセミと青い鳥

 2018年となった。新年である。毎年、新年は来る。齢を重ねても、時を早いとか遅いとかと感ずることはないが、新年になる度に、一息嘆息する。年末は何かと気忙しいが、新年には少しく嘆息する余裕がある。新年は、冬である。硝子窓を閉じても、周辺の木立から野鳥の声が様々に聞こえる。好ましく、余裕を深感する。

 冬は葉を落とす広葉樹が多く、野鳥を観察しやすい。新年に、後楽園を散策した。園内で多くの野鳥を見て、このブログに冬鳥のことを書こうと、ふと思った。私は野鳥の写真を撮るのを趣味としている。ただ、熱心ではなく、計画性もないため、散策時に軽量なデジカメを持ち歩いて、撮影するのみではあるが。

 後楽園を出ようとする手前に、ほの暗い植え込みに向けて、腰を落として、立派な一眼レフカメラを向けている人がいた。何を撮っているのかと、私も少し腰を落とした。植え込みの向こうの明るい小水路の枝上にカワセミがいたのである。華麗な鳥である。通路から距離があるためか、こちらを気にせず、何度も水面に飛び込んでいた。10回以上飛び込んで、1度は小魚を得た。何枚かの写真を撮った。デジカメの能力不足と距離のため、少々ピンボケであるが、写真を示す(@)。百間川や後楽園近くでは生息していると聞いてはいたが、岡山でカワセミを見たのは20年ぶりであろうか。栃木では小さい池でも、小魚がいれば、棲みついており、見ることは多い。撮影した写真もあるので、今回はカワセミを中心に記載する。




  カワセミはまっすぐ飛ぶ。
  陽光下では、鮮明な青と橙色の一線を煌めかせて、
  必死でまっすぐ飛ぶ。

 晴れの日に、池・沼の周囲を散策していると、突然にカワセミが近くから飛び出し、対岸に向かって、一目散に逃げ去る時には、上記の感覚が強い。カワセミの青金属光沢は羽の色ではなく、光の反射で見える構造色と言う。確かに、光の具合で、大きく色合いが変わる。最も華麗であるのは、水面から飛び上がってくる瞬間であろう。その瞬間に、水面に青と橙色の金属色が発現し、瞬動し、水滴とともに拡散する。私のデジカメではその瞬間は写真にはならない。写真を撮影している常連に聞くと、三脚固定一眼レフカメラで、1/2000秒より短いシャッタースピードが必要と言う。それでもピントが合っている写真を得るのはなかなか困難と聞いた。日本の野鳥では最も華麗であり、写真撮影は人気である。一般に、野鳥を観察するのに必要なものは場所と粘りと運であり、写真を撮るのはさらに器材と技量がいる。ただし、カワセミは撮影しやすい。餌を採る場所がほぼ決まっており、そこで粘るとかなりの確率で撮影できる。上記したように、動きがあり、ピントが合った写真を撮るのは大変であるが。

 さて、カワセミを説明しよう。写真AB(同じ鳥:メス)を示す(栃木で撮影)。ブッポウソウ目、カワセミ科で全長は約17cm程度である。スズメより、少し大きく感じる。色彩では、写真のごとく、羽面や頭部は白点を散らした青金属色である。ただし、背面中央部には青白く反射する帯がある。胸と頬は鮮やかな橙色であり、首前と肩部は白い。くちばしは長く、先は鋭い。眼からくちばしに向かって白斑・橙斑が配置されている。眼は大きく、多少飛び出しているようであり、常に水面を凝視している。眼から白斑・橙斑を経て、くちばしに流れる全体印象が、視線の水面への方向感・凝視感を強めている。尾は短く、足は赤い。鳴き声として、私はカワセミのさえずりを聞いたことはない。ただ、飛び去る時に、「チー」と鋭く鳴くのを聞く。なお、オス・メスとも色彩は変わらない。ただし、くちばしが上下とも黒いのがオスであり、メスは下くちばしが赤い。




 カワセミは上記の色彩から翡翠とも書かれ、生息場所から川蝉とも書かれる。留鳥であり、年中見られる。特定の池・沼につがいで棲みついていることが多い。つがいの写真がDである。右側がオスである。いつもは水面を凝視しているカワセミがこの時はメスを見ていた。カワセミにしてはやさしい視線である。この写真を撮った直後に交尾を行った。カワセミは年に数回、子育てをする。私が得たカワセミの写真で、最も気に入っているものを示す(C:オス)。精悍な顔つきであるが、頭部や羽が全体に黒ずんでおり、おそらくは幼鳥と思われる。





 飛翔は前記したように基本的にはまっすぐ水平である。飛ぶ方向を変えることはあっても、常に一生懸命飛んでいる。ただ、ホバリングすることはある。かなりの上空(5m程度?)でホバリングして水面に飛び込むのを見たことがある。餌はもちろん真水中の生物である。小魚が中心である。その他に小さなザリガニ、おたまじゃくしを食べるのを見たことがある。水に飛び込んで餌を得る確率はさほど高くない。良い時で3-4回に1回程度であろう。

 晴れて、散策に行き、カワセミを見た日は豊かな日である。新年の正月にカワセミと会い、本年の運を感じた。本校の卒業予定学生は、勉学に必死である。国家試験の合格は本人の実力であるが、それに加えて運を呼んでくれると感じた。

 追記として、青い鳥のことを記述する。青い鳥は幸福を呼ぶとして、人気は高い。カワセミは青金属色の輝きであるが、前述したように、構造色であり青の色素ではない。光反射で青く見えるだけと言う。日本の三大青い鳥「瑠璃三鳥」はオオルリ、コルリ、ルリビタキと記載されている。

 オオルリはヒタキ科で、大きさは16cm程度でカワセミと同じ程度である。頭・背・羽は青く、胸は白い。日本には夏鳥として飛来し、繁殖する。私は栃木で数度見たが、明瞭な写真は取れなかった。少し細身に感じられた。青は群青色に近く、林の中の暗がりでは、青色は目立たない。陽光を受けると、コントラストのはっきりした青に輝く。鳴き声が良いことでも有名である。高く済んだ美しい声でゆっくりとピールーリーと鳴く。ハイキング中に周りの人に「これがオオルリのさえずり」と教えてもらった。

 コルリはツグミ科でオオルリより少し小型の14cm程度と言う。日本には夏鳥として飛来し、繁殖する。ただし、中部以北と記載されている。残念ながら、見たことはない。写真をみるとオオルリに似る。

 ルリビタキはヒタキ科で15cm程度である。日本では、夏季に中部以北の山で繁殖し、冬になると中部以南に移動するか、平地に下りてくる。冬は広葉樹の葉が落ちるので、公園などで見つけやすい。何度か見た。写真を示す(EF)。頭や羽は青い。ただし、オスのみが青く、それも2年以上の成鳥が青いと言う。胸は白く、体横は黄色を帯びている。青色はオオルリほどコントラストが強くなく、空色に傾いているように感じられる。横腹の黄色が軽い青を柔らかく強調している。この写真を撮影した時には冬であった。見通しの良い所で、小域内をヒラリ、ヒョイと飛び回りながら、時折小枝で休憩していた。木漏れ日が当たり、散乱しない柔らかな青が脳裏に重なっていく。静謐な時間である。


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