tamasen 校長ブログ

2015年09月01日の記事

2015年9月1日(火)

着任の挨拶

玉野総合医療専門学校(タマセン)校長の平井義一です。本年の4月に前任の高井研一校長から引き継いで着任しました。ブログの更新が遅れ申し訳ございません。

まず自己紹介から始めます。私は岡山生まれ、岡山育ちで、岡山大学医学部を卒業しました。その後、タマセンの初代校長となった金政泰弘教授の主催する細菌学教室の大学院生となり、そのまま居座って助手にしてもらい、細菌学と院内感染制御の研究をしていました。40歳過ぎまでは、米国オハイオ州立大学に留学した1年間以外は、岡山で暮らしておりました。仕事場が箱根の関所を越えるとは思ってもみなかったのですが、縁があって47歳の時、栃木県にある自治医科大学(自治医大)に呼んでいただきました。以来、感染・免疫学講座細菌学部門の教授を18年間勤め、途中から附属病院臨床感染症センターのセンター長を兼ねて勤めてきました。定年退職となり、タマセンのお話をいただき、本年4月に着任しました。

岡山県はもちろん生まれ故郷です。栃木県は18年間を過ごしてみますと第2の故郷との感じがします。栃木で私の勤務していた自治医大は、毎年に各都道府県に、ほぼ同数の卒業生を送り出していますが、状況をご存知の方は少ないように感じています。また、関東の人は中国地方のことをあまり知らず、中国地方の人は関東のこと、特に北関東のことをあまり知っていません。ですので、まず自治医大とその周辺のことを紹介します。

自治医大は栃木県の下野市(しもつけ市)にあり、宇都宮市(県中央部・県庁所在地)と小山市(南部)の間でJR宇都宮線(東北本線)沿いに位置しています。JR自治医大駅から歩いて10分程度で大学に到着します。広い敷地の中に、医学部・看護学部・附属病院(1132床)があります(写真A)(埼玉県のさいたま市(旧:大宮)にも別の病院があります)。


現在は、東京までJRで1時間少々のこともあり、栃木県で人気の住宅地となっていますが、設立当時は田畑の中にポツンとあったそうです(写真B;設立から10年程度の時期?)。関東平野は広く、自治医大周辺の空は広いです。遠く西北には日光のある男体山が見え、東方に筑波山がポツンと見えます。田畑が広がる場所では、平地から富士山が遠望できるのは驚きです。


これに対して、玉野総合医療専門学校(タマセン)は宇野港近くにあります(写真C)。


山がすぐ近くにありますが、敷地は広く、空は明るいです。5分ほど歩くと海であり、多島海である瀬戸内海がゆったりと見え、なにやら“ほっと”致します。車で少し走ると瀬戸大橋が見えます(写真D・E)。魚は豊富です。不動産の宣伝文句風に言うとタマセンは「海の近く、明るい陽射し。広い校舎、体育館・運動場あり。周辺に海釣り場豊富。」なのでしょうか。



自治医大の話に戻ります。自治医大は昭和47年に設立され、全国の都道府県が共同で設立した学校法人によって運営されています。従って、私立大学であり、理事には県知事の方が何名かおられます。
特徴的なのは学生の選抜方法と卒業後の就業状況です。入学学生は都道府県から均等に選抜されます。定員は123名(2015年現在・栃木県地域枠3名を含む)ですので、岡山県からは2−3名(年度で異なる)となります。同級生に必ず全国各地の出身者がいるのは大変楽しいことと思います。
私は岡山生まれで岡山育ちですので、純粋な岡山弁をしゃべります。今は、少し関東のイントネーションが入ってきたと言われますが。講義や雑談で、私の話した言葉が理解できないと、岡山出身の学生が通訳してくれます。ただし、岡山出身といっても岡山市のみでなく津山や高梁の出身もいますので、通訳は完全ではありませんが。学生は「おえん」「おらん」「----じゃ」に困ったようです。
さて、入学すると学内にある寮に入ります。寮以外に住むことも可能ですが、寮費は安く、卒業まで寮にいる学生がほとんどです。自治医大の学生教育に対する熱意は高く、国立大学医学部の10倍は、時間・費用をかけており、システム化も進んでいます。特に、地域医療の理解・実践のために様々な対応をしています。この努力により、医師国家試験の合格率はほぼ毎年トップであり、合格しない学生は0か1人程度です。これらの教育システムや教育への考え方は、現在の玉野総合医療専門学校での私の教育方針の根幹をなしています。

学生は6年間で卒業します(留年しなければ)。卒業すると各出身の都道府県に戻って、2年間の初期研修を行います。その後、都道府県と連携して地域医療に従事します。どこの都道府県でも勤務地は医師・医療機関の少ない地域や過疎地になります。なかなか大変ですが、自治医大のモットーは「医療の谷間に灯をともす」です。皆さん頑張っておられます。私も頭が下がる思いです。「卒業生の活躍がその大学の評価である」ことはどこの学校も変わりません。最終的に、学生期間の1.5倍、通常は9年間を都道府県と連携して勤務すると大学の学費の支払いが免除されます。自治医大生は親孝行です。
岡山県では岡山済生会病院、岡山日本赤十字病院、津山中央病院のどこかで初期研修を行います。そして、県職員として岡山県の北部・中部を中心に勤務しています。皆さん実直に地道に勤務・研修しておられます。9年間勤務以降は基本的に自由ですが、多くの方が地域医療を継続しておられます。もちろん、自治医大に戻って後輩の教育に従事されている方もおられます。
このブログを読んでいただいた方々が、自治医大出身医師に出会われたら、この文章を思い出して、お話をしてください。

長くなりましたので、この辺で初回のブログは終わりにします。次は栃木の風物を書こうと思っています。

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